自販機の補充をしていると、やたらと子どもに話しかけられます。
中でも圧倒的に多いのが、これです。
「なにしてるんですか?」
たぶん、この質問を世の中で一番多く受けている職業は自販機ルートマンなんじゃないかと思っています。今日はこの、子どもたちとの平和なやり取りについて書いてみます。
実際のやり取り集
まずは、実際にあったパターンをいくつか。
パターン①:律儀な子
子「なにしてるんですか?」
私「仕事してるよ」
子「頑張って下さーい」(立ち去る)
聞いておいて、答えを深掘りせずに応援して去っていくスタイル。潔いです。
パターン②:あっさり納得タイプ
子「なにしてるんですか?」
私「ジュース補充してるよ」
子「へぇ〜」
「へぇ〜」の一言に、すべてが詰まっています。満足してくれたようで何よりです。
パターン③:おねだりタイプ
子「ジュースくださーい」(走って寄ってくる)
私「ダメー、お金持ってきて」
子「えー、これ飲みたいな〜」
そりゃ飲みたいですよね。私もそう思います。でもタダではあげられません。ごめん。
気づいたこと:子どもにも2タイプいる
何回もこのやり取りを繰り返していて、あることに気づきました。
同じ「なにしてるんですか?」でも、聞いてくる子どもには2タイプいるようです。
- 社交タイプ…仕事をしているのは分かっていて、あいさつ代わりに聞いている。だから「仕事してるよ」で満足して去っていく
- 探究タイプ…純粋に「この人、何をしているんだ?」が知りたい。だから「仕事してるよ」では納得しない
実際、以前こんなことがありました。
私「(何してると思う?)」
子「わからないから聞いたんです」
そう、この子は完全に探究タイプでした。「仕事してるよ」なんて答えは、この子にとっては何の答えにもなっていなかったわけです。ちゃんと「ジュース補充してるよ」まで言わないと、彼らの知的好奇心は満たされません。
そもそも、なんで自販機補充は聞かれるのか
冷静に考えてみると、他の仕事はあまり「なにしてるんですか?」と聞かれない気がします。
- 郵便配達の人 → 聞かない(手紙を入れている、分かる)
- 宅配のドライバー → 聞かない(荷物を運んでいる、分かる)
- 旗を振っている警備員 → 聞かない(誘導している、分かる)
でも自販機補充は聞かれます。たぶん子どもからすると、いつもジュースが出てくる自販機を開けて、中で何かゴソゴソやっている謎の人なんだと思います。
ここで当事者としては、声を大にして言いたい。
「いや、自販機に補充してるんだから、見りゃ分かるだろ」
……と、思いますよね。でもたぶんこれ、私だけではありません。子どもに「なにしてるんですか?」と聞かれる職業の人は、全員「見りゃ分かるだろ」と内心思っているんじゃないでしょうか。
電気工事の人だって、測量している人だって、みんな「これを見て何をしているか分からないの?」と思っているはずです。でも子どもには分からない。つまり本質は、大人には自明で、子どもには未知という、この「ズレ」そのものにあります。
子どもにとって自販機は「ボタンを押すとジュースが出てくる魔法の箱」であって、中に人が飲み物を詰めているなんて発想が、そもそもない。だから開いている時点で「分かる作業」ではなく「未知の光景」になる。そりゃ聞きたくもなります。
同じ理由で聞かれていそうな職業を勝手に予想すると、こんな感じでしょうか。
- 電柱に登っている電気工事の人
- 三脚の機械を覗き込んでいる測量の人
- ガスボンベをくるくる回しながら運んで交換している人
「作業しているけれど、その作業の意味が子どもには分からない」職業。この辺はきっと聞かれていると思います。誰か統計を取ってくれないでしょうか。
と、偉そうに言っておきながら
ここまで「見りゃ分かるだろ」と言っておきながら、正直に白状します。
私も、測量の人が具体的に何を測っているのかはよく分かっていません。「あー測量ね」で分かった気になっているだけで、詳しく聞かれたら「えっと……土地の、なんか、測ってる?」くらいしか答えられません。
つまり私も、あの子どもたちと大して変わらないのかもしれません。「なんとなく分かってる」の中身なんて、案外そんなものです。
あなたはどうでしたか
そこで、この記事を読んでいるあなたに聞きたいことがあります。
- 仕事中に子どもから「なにしてるんですか?」と聞かれたことがある人(同業でも他職種でも)
- 小学生のころ、誰かに「なにしてるんですか?」と聞いたことがある人(つまり、ほぼ全員)
どんな仕事で、どんなやり取りだったか、よければコメントで教えてください。自販機補充がランキング何位なのか、みんなの声で確かめてみたいです。
なお、その自販機補充が実際にどんな仕事なのかは自販機ルートマンの仕事内容と1日の流れにまとめてあります。子どもに聞かれても一言では説明しきれない、あの中身です。
このブログでは、自販機ルートマンの仕事のリアルを、しんどいことも笑える話も正直に書いています。


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